2008年11月5日水曜日

社会保障抑制路線の転換求める 国民会議が最終報告

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今日の1通目
「渡部昇一の昭和史」は政治家、官僚の必読書


日本は世界で唯一の超高齢社会国ですが、
税金をあまり社会保障に使っていない低福祉国です。

65歳以上人口割合の国際比較.jpg

ニッポンの老後福祉負担グラフ週刊東洋経済0808.jpg

日本の医療世界比較週刊東洋経済0711.jpg

これから社会保障費を増額させようという報告書がでましたが、
増税しなくても実現はできるので真剣に努力してほしいと思います。


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社会保障国民会議(座長・吉川洋東大教授)が4日、最終報告を麻生首相に提出した。「社会保障の機能強化」を明記、小泉政権以降続いてきた社会保障費の抑制路線の転換を求めた。首相は国民会議の主要メンバーで構成する懇談会を設置し、改革の具体化に向けた工程表づくりに取り組む方針を表明した。

最終報告は「必要なサービスを保障し、安心と安全を確保するための社会保障の機能強化に重点を置いた改革」の必要性を明記。社会保障財源の確保のため、2025年度に最大13%の消費税率引き上げが必要になるとの試算も公表した。

政府の社会保障政策は、小泉政権時代の「骨太の方針06」で示された社会保障費の自然増を5年間で1.1兆円抑制する方針を基軸に進められてきた。今回、国民に「応分の負担」を求める代わりに「必要な財源を安定的に確保していくための改革」が提起されたことは、首相が掲げる「中福祉・中負担」の下地づくりとなった。

首相は自民党総裁選中、社会保障費の抑制方針について「ほぼ限界にきている」と言及。4日夜も記者団に「(抑制方針は)閣議決定されている。堅持です」と述べる一方、「しかし、年末に向かって予算編成する段階で具体的な方法は考える」と語った。

福田政権で設置された国民会議は、民主党との対話の糸口づくりを狙ったが不発に。麻生政権では、社会保障財源確保のための負担増の必要性を指摘する役割を得て、「抑制から給付増」への政策転換の推進役となった。

国民会議の座長と三つの分科会会長らによる懇談会には、二つの課題が与えられた。医療・介護現場の体制強化と改革を同時に進めることと、負担増の根拠づくりだ。

10月30日の記者会見で消費増税方針を打ち出した首相は、この日の会議で「具体的な数字を示していただき大変、重要な議論の土台作りになった」と強調。国民会議が公表した試算をテコに、小泉元首相が封印していた消費増税への理解を求める考えだ。

ただ、相次ぐ社会保険庁の不祥事などで社会保障政策に対する国民の不信感は根強い。与謝野経済財政相はこんな指摘をしている。「『社会保障として払ったお金は全額国民に還元される。官の肥大化には使わせない』という理解が進まないと、(増税を)国民にお願いするのは難しいという共通認識はだんだん広がりつつある」

■年内に工程表づくり

最終報告が示した医療・介護現場の体制強化と改革を実現させるのは容易ではない。年末に向けて工程表を作ることは決まったものの、その実効性を担保する仕組みは現時点で未定のままだ。

改革を実現する難しさは、特に大幅なサービス変更を伴う医療・介護で顕著だ。たとえば過酷な勤務が問題になっている病院医師の負担を軽くするため、病院外来は専門的なものに限定し、一般的な外来はすべて診療所が担うという役割分担の徹底を掲げる。

実現すれば、すべての重大な症状の患者は15分以内に救命救急センターに受け入れ可能となる見通しだ。東京都内の妊婦がたらい回しの末に死亡したケースを防ぐ仕組み作りにつながる。しかし、医療機関側が合意し、受診先を制限される患者側も納得しなければ実現は難しい。

また、医療・介護スタッフはトータルで現在の385万人を、25年度時点で664万~684万人に増員を目指す。うち人手不足が深刻な介護では138万人増の255万人だ。政府は介護職員の処遇改善のため、常勤職員の給料2万円増につながるよう介護報酬アップ(3%引き上げ)を決め、国庫補助の上乗せを新経済対策に盛り込んだ。しかし、職員の賃金に反映させるかは事業所側の判断で、人手確保への道筋が付いたとは、とてもいえない。

一方、年金については、「基礎年金の財政方式の議論がさらに深まることを期待」として、社会保険方式と税方式の両論併記にとどめ、「望ましい姿」は示さなかった。

<最終報告の主な内容>

・支え手である現役世代の活力維持、強化が不可欠。最低賃金引き上げや、地方がより主体性を持った能力開発体制確立を。

・年金保険料未納は、将来の無年金者や低年金者の増加で「老後の所得保障」が機能しなくなることが問題。低所得者への免除の積極活用など未納対策の強化を。

・医療機能のネットワーク化、医療と介護を通じた専門職種間の役割分担見直しと協働体制構築。思い切った効率化と思い切った資源投入を。

・少子化対策は、社会保障全体の持続可能性の根幹。国が責任を持って財源の確保を。

・一人一人の社会保障給付と負担をわかりやすく示すため、社会保障番号制の導入検討の積極的な推進を。

(出典:朝日新聞)

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