2009年3月12日木曜日

働く場所はありますか 会社に代わるもの 日本が背負った「宿命」

いつもありがとうございます。
ツイてる抗加齢(アンチエイジング)実践家てるです。
毎日毎日、多くのステキなことがあり、感謝しています。


大不況の底が見えないので日本中の企業が生き残りを掛けて厳しい
リストラを断行しています。
聖域なきリストラなので正社員の雇用にも当然踏み込み、辞めるも地獄
残るも地獄といわれています。
役員報酬カットや管理職報酬カットは当たり前、社員も仕事は減らずに
残業は禁止され、さらにサービス残業が増えて実質は賃下げになって
いるものと思われます。


そんな厳しい環境で世代格差も広がっており、元気な人、働く意欲のある人は
生涯現役がおすすめで、私は一生勉強・一生青春・一生現役をモットーに
しております。
そして、人生の3大不安である健康、貧乏、孤立を解消するお手伝いを
ライフワークとしております。


ゴールにたどり着くか、たどり着くことをあきらめたことをリタイアといい、
アメリカの研究ではリタイアした人の平均余命は18ヶ月。
苫米地英人(脳機能学者)

リタイア後は明日を生きる理由を一気に失って早死にするわけですね。

定年退職後にリタイアした人の老け込みが著しい理由の一つで、
生涯現役や社会から必要とされる地域活動などでの存在感が活き活きと
生きるためには必要だということです。


サザエさんの「波平さん」は54歳です。
サザエさんの連載が始まったころの定年は55歳、平均寿命は58歳
だったので定年後は余生として暮らしてもよかったわけですが、
現在は定年60~65歳、男性の平均寿命79歳、60歳の平均余命22歳、
65歳の平均余命18歳ですから、波平さんの時代とは比較できないくらい
定年後20年間の充実した生活が重要で、20年間も家でゴロゴロされたら
そのストレスで奥さんが病気になって先に逝ってしまいます。
やはり、亭主元気で留守がいいのです。


現役世代と奥さんの負担を軽くすることも合わせて生涯現役がおすすめで、
ステキなお仕事のご提案ができます。
先日も転職したいという東大卒30代男性にご提案しましたが、あまりの
よさに驚いておられました。


健康で病気と無縁なことも重要なので喫煙者は卒煙をおすすめします。
保険治療では治せていない生活習慣病に罹ると医療費自己負担が
相当な金額になり、家計を圧迫しますので健康管理も重要です。


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元北海道拓殖銀行行員の松阪直人さん(41)=仮名=は、その日を東京営業部で迎えた。平成9(1997)年11月17日、月曜日だった。出社するとA4判1枚の紙が机の上に乗っていた。自社の経営破綻(はたん)を知らせる内容だった。当時30歳。妻と3歳の長女、6カ月の次女を抱えていた。比較的冷静だったのは、まだ若く、再就職もすぐに決まりそうだったからだ。ただ「今にして思えば甘かった」と振り返る。

「一度会社を失ったショックがあるからでしょうか。どうしても隣の芝生が青く見えてしまう。最初の再就職先は4年半で辞め、次も長続きせず貯金を取り崩した。サラリーマンなのに会社に対する帰属意識を持てなくなってしまったのかもしれない」

12年前の平成9年は現在とよく似ているといわれる。バブル経済崩壊後の不良債権問題が戦後最悪の金融危機に発展し、拓銀が破綻した11月は3日の三洋証券に始まり、24日の山一証券の自主廃業に至るまで大型倒産が連鎖した。

当時、山一の総務部長だった永井清一さん(63)は「あのころは『就職』というより『就社』という意識が強かった。終身雇用に身をゆだね、福祉や娯楽まで会社からすべて享受するのが普通だった。何もかも失った感覚だった」と振り返る一方、こうも付け加えた。

「山一のように大きな会社になると、自分のやりたいことはなかなか見つからず、どうしても組織の歯車になってしまう。それでも再就職先をみると、個人的なスキルや人脈を持っている人間が強く、別の分野へ行っても活躍している。われわれは組織人になりすぎていたのかもしれない」

「問題」変わらず

永井さんらの話が少しも古く感じられないのは、日本企業が抱える問題が12年前と根本的に変わっていないからではないか。一時の好景気のお陰で深く考えずに済んできたと言ってもいい。終身雇用や年功序列といったシステムも非正規社員を増やすことでかろうじて維持しているにすぎず、その象徴がこの半年間に起きた「派遣切り」だった。

慶応大学商学部の樋口美雄教授(56)=労働経済学=は「かつて日本企業は若い社員を一括採用し、教育し、生きがいまで与えてきた。その力はすでに失われている」と話し、「企業に代わるもの」の必要性を強く訴える。

つまり会社という後ろ盾を持てなかったり、失ったりした人に自立支援や能力開発を行う存在だ。英国では「社会的企業」(ソーシャルエンタープライズ)と呼ばれ、NPOなどが、そうした任務にあたっているという。

「むろん若い人だけでなく、高齢者も参加できることが重要です。定年を迎えて生きがいをなくした人たちに新たなスキルを与えて再び社会に出てもらう。高度成長期のように、消費も生産も拡大し、若い人が大勢いることを前提にしたモデルが破綻した以上、雇用のあり方を抜本的に変えない限り今後の高齢社会には対応できません」

1・84人の働き手で1人の高齢者を支える。20年後の2030年とは、そういう社会である。世界一の長寿国という人類の夢を実現したわが国で、それを心から喜ぶにはどうしたらいいのか。神戸大学大学院の小塩隆士教授(48)=社会保障=は「若い人だけで高齢者を支える構図はもはや物理的に限界だ」と話し、こう指摘した。

「20年後の社会は高齢者同士、同じ世代で支え合うことになるかもしれない。世代間ではなく世代内で所得を分配する。つまり健康な高齢者はずっと働いてもらうということです」

「会社の命日」

2030年、過去に例のない高齢社会は確実にやってくる。少子化による独居世帯も増え、家族というセーフティーネットさえ失うかもしれない。そのとき、「働くこと」を否定的にとらえてしまえば、私たちの国に未来はない。

現在は事務機器メーカーに勤める元拓銀の松阪さんに「20年後」を尋ねると、「自分の未来は明るくないかもしれないが、娘たちには学歴よりも職業観を身につけさせてあげたい」という答えが返ってきた。

「私は両親に『いい大学を出て、いい会社に』と言われて早稲田を卒業しました。それでも最初の会社はつぶれるし、今の会社も働きがいは見つけられない。それは自分にやりたい仕事もスペシャリストの要素もなかったからです。だからこそ娘たちには働く楽しさを、喜びを早い時期から考えてほしいと願うんです」

一方、元山一の永井さんは「20年後には会社のバッジを誇らしげに付けているような人はいなくなるでしょうね」と話す。山一が自主廃業した11月24日を「会社の命日」と呼ぶ永井さんらは、毎年その時期に当時の社員ら100人余りが集まり、同窓会のような集まりを開いているという。

同業他社に移った人、投資顧問会社を起業して成功した人、健康食品の販売に失敗した人、警察官になった人もいれば、植木屋になった人もいる。再会して一番うれしいのは、彼らが今も「働く意欲」を失っていないことだという。自身もコンサルタント会社の役員として現役を続ける永井さんはさらにこう話した。

「私たちは会社というレールを一度失ったからこそ、働くことの喜びや意義に改めて気づくことができた。毎日家にいると社会とのつながりが切れてしまう。自分の存在自体が必要ないんじゃないかと考えてしまう。自分が社会に役立っていると思えることこそが、働くということではないでしょうか」

日本には昔も今も「人材」という資産しかない。それは土地も資源もない国が背負った宿命でもある。働くことを「喜び」と感じられる。今、わが国が早急に取り戻さなければならないのはそうした社会ではないか。2030年はすぐにやってくる。

(出典:産経新聞)

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