2009年3月3日火曜日

スポット派遣者は「明日も見えない」

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ツイてる抗加齢(アンチエイジング)実践家てるです。
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産経新聞では2030年第1部 働く場所はありますかという
特集記事の連載が始まりました。

28歳派遣「あなたの20年後を想像して下さい」
4人に1人の女性は未婚で40代 20年後の社会とは
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2030年はどんな社会になっているのでしょうか。
私は84歳になり、一生勉強・一生青春・一生現役をモットーに
元気で幸福な人生をおくっていますが、日本には住んでいないかも知れません。

そして、人生の3大不安である健康、貧乏、孤立を解消するお手伝いを
ライフワークとしており、多くの人のお役に立てていることは確実で、
人生を好転させるために努力を惜しまない方には特にお役に立てます。


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トヨタショック

あれからまだ本当に4カ月しかたっていないのか。本紙社会部記者の徳光一輝(38)が人材派遣会社5社に登録したのは昨年11月初旬。トヨタ自動車が連結営業利益の当初予想を1兆円引き下げた「トヨタショック」の直前だった。

目指したのは地方の製造業。当時まだ、各派遣会社のホームページには、寮付きの仕事が数百件も掲載され、《引っ越し費用を当社がサポート》《もれなく「新生活応援パック」を支給》などと派手にPRされていたのである。

実際にそこで働き、派遣労働者の現状をルポしようと考えたのだが、雇用悪化のスピードは予想を上回る速さだった。むろん徳光にもそうした仕事は回らず、寮付きどころか寮を追い出される人々が各地の企業城下町で相次いだ。この間に削減対象となった非正規社員は自動車関連だけで2万人以上。全産業では今年度中に15万7000人にのぼるとされる。

「やっぱり僕らは調整弁なんです。その弁がね、この4カ月、すごい勢いで開いて、一斉に外へ漏れだしたような感じ」。11月に1年以上働いた建築現場の派遣契約を切られたという川端信二さん(46)=仮名=は言う。

現在は1時間100円のネットカフェで生活しながら「スポット」と呼ばれる日雇い派遣を続けるが、「長期派遣は競争率が激しく年齢的に難しい。工場からあぶれた若い人が多いから、自分にはもう回ってこないと思う」。

「スポット派遣」

年末年始の「年越し派遣村」に代表されるように、この4カ月、雇用危機の象徴としてマスコミなどで盛んに扱われてきた「派遣労働者」。わが国の労働者の4割近くを占める非正規社員のうち、彼らだけは雇用主である人材派遣会社と指揮命令する事業主が異なり、景気が悪化すれば真っ先に切られやすい。こうした働き方は昭和40年代から始まり、60(1985)年に法的に位置づけられた。

ただ、当初は通訳や秘書など専門性の高い13業務に限られていたが、業界などの要望で次第に拡大され平成16(2004)年、製造業にも解禁された。その結果、19年の派遣労働者は労働者全体の4・7%にのぼり15年の2・0%から倍増。現在はさらに増えたとみられる。

むろん、今回の雇用危機で彼らの仕事がすべて消えたわけではない。川端さんの言うように、「スポット」の需要はなくならず、徳光のもとには、今も連日2件以上の派遣先を紹介するメールが来ている。

「選ばなければ働き口はある」と批判的な意見が出るのはそうした背景もあるが、製造業派遣労働者の労組「ガテン系連帯」共同代表の池田一慶さん(29)は「現在の不況が深刻であることは僕らもわかるが、問題は仕事のある、なしじゃない。派遣というシステムを考えてほしいと思うんです」と話し、自身の体験を語った。

「例えば、僕の派遣先の旋盤工も慣れると面白い。最初は指をはさんでソーセージみたいに腫れ上がったけど、機械を0・1ミリ単位で動かせるようになったときとか本当に充実感がある。でも派遣だから同じ職場にずっといることはできない。レールをすぐにはずされる。それがくやしい。この国は、向上心や自分の将来像を持ってはいけない若者をどんどん生んでいるような気がします」

明日も見えない

総務省が先月公表した労働力調査によれば、派遣労働者の年齢別構成は働き盛りの25歳から34歳が38%を占めトップ。実際、徳光がスポットで入った宅配便の仕分け作業では、直接雇用された主婦などのパートやアルバイト学生よりも派遣会社を介した若い労働者がほとんどで、国民健康保険や年金を納めていない人も多かった。政府は昨年11月、スポット派遣の原則禁止を盛り込んだ改正案を国会に上程しているが、議論は進んでいない。

「2030年に派遣労働者はどうなっていると思うか」。池田さんに問うと、こんな答えが返ってきた。

「よく派遣は自由でいいと言われたけど、やっぱり人間はどこかに根を張らないと生きていけない。2カ月や3カ月で誰と仲良くなれるんですか。職場の休憩室でもみな、ケータイをいじっているだけ。地域どころか同僚とも全然親しくなれない。今のような雇用形態が進めば、20年後の社会はすごく殺伐としているような気がします」

一方、スポット派遣を続ける川端さんは「明日、あさってもわからないのに、20年後は…」と戸惑いつつも、年末年始に東京ドームで行われたジャニーズ系タレントのコンサートで会場撤去や清掃作業に派遣された経験を話し始めた。

「400~500人来たけどほとんどがスポットの連中。みんな僕よりずっと若くてジャニーズの子たちぐらいでね。正月から軍手はめて黙々と働く彼らを見てたら、何だか無性に悲しくなってね。将来、僕のようにはなるなよと声はかけといたけどね」

この4カ月、景気という“水位”が下がるたびにあらわになった雇用をめぐる問題。それは正社員も例外ではなかった。

(出典:産経新聞)



◆派遣切れ「2009年問題」深刻 

世界的な景気低迷で企業の事業縮小が進むなか、派遣労働者の「2009年問題」で、失業者の大量発生が懸念されている。労働者派遣法の改正で認められた製造業への派遣期間が、今年から期限切れを迎えるためだ。「雇い止め」や「派遣切り」の最初のピークは年度が切り替わる2~3月とみられており、非正規労働者の支援団体などは、この時期に集中的に相談会などを予定している。

「もう少し働いてほしいといわれていたのに、突然3月末で終わりと通告された」。個人加盟の労働組合「なかまユニオン」(大阪市都島区)には、デザイン会社に勤務する派遣労働者の女性からこんな相談が寄せられた。同ユニオンの井手窪啓一執行委員長は「2009年問題の影響が早くも出始めていると予想される」と警戒を強める。

大阪労働局などによると、派遣労働者の「2009年問題」は当初、企業の労働力確保と偽装請負防止の観点で問題視されていたが、世界的な景気の悪化で企業側はこぞって減産態勢にシフトしたことで、状況は一変。企業側の雇用調整に派遣期間の期限切れが重なり、21年中に「派遣切れ」や「雇い止め」が大量発生することが危惧(きぐ)されている。

大阪労働局の担当者は「派遣労働への切り替えは18年秋ごろが多かったので、今年秋がピークではないか」とみているが、井手窪執行委員長は「企業は年度末に人員の見直しをするため、この2~3月に、2009年問題の前倒しで解雇が進む」と予想する。

(出典:産経新聞)

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