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ツイてる抗加齢(アンチエイジング)実践家てるです。
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一読に値するシナリオが書かれています。
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私は、人生の3大不安である健康、貧乏、孤独を解消する支援活動を
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『月刊現代』や『論座』といった論壇系の雑誌が廃刊するなか、ビジネス誌はけっこうましなほうらしく、その流れに乗って『月刊アスキー』が9/24発売号から『ビジネスアスキー』に名称を変更した。「悠長に天下国家や時事問題を論じている暇があったら、自分で稼ぐよ」という、もはや国を見捨てたような切迫した現実主義の世の中になったのだと思う。それでもあえて天下国家のために、これから訪れるであろう第二次氷河期以降のシナリオを描いた。
第一特集は、ビジネス誌の定番企画、給料。
[特集1]
13業種1300人に聞きました
こんなに差が出た!
30代給料の現実
「30代」「男性」「会社員」限定で1308人もアンケートして、年収や格差意識について尋ねるという、なにやらえげつない企画で、13の業種別に、具体的な企業の労働現場のトピックスを私が書き、インタビューにも答えた。
アンケート結果を見ると、典型的な30代サラリーマン像というのは、年収400~600万円で、年収には「やや不満」であり、「100~200万円増えれば満足」と思っている、というごく当り前のものだった。
◇ILO132号条約批准で格差問題解決に前進
私が書いた具体的な企業別の、えげつない話およびインタビューのほうは、雑誌を読んでいただくとして、ここでは、相次ぐ休刊を記念して、天下国家の話を先に述べる。
日本は2005年から人口が減少に転じている。そのなかで経済を活性化するためには「外資の活用」や「経済的な規制撤廃」が有力な政策オプションとなるが、それを口にする有力政治家は皆無なので、国内経済は確実に縮小に向かうだろう。そうなると、1人1人の生産性が劇的に向上しなければ右肩下がりになるだけだから、サラリーマンがビジネス誌を読み漁るのは、その危機感を敏感に感じ取っているのであろう。
森永卓郎氏が「中田に何十億も出せるパルマ」を例に出して言うように、日本がイタリアみたいに付加価値が高いモノを生み出せる国になれればよいが、日本人はやっぱり組織主義・コスト競争力重視のトヨタが大好きだ。今回のアンケート結果を見ると、「好きな会社」第一は、やっぱりトヨタだった。
フェラーリやランボルギーニのようなスーパーカー、つまり、コスト重視ではなくて付加価値重視の製品は、日本人のDNAでは、30年後でも作れないだろう。
ということは、今ある総人件費を増やすことは不可能なので、配分を変えるしかない。そこで重要なことが、意に反して働かされすぎの正社員をどうやって矯正し、その時間を現状の非正規社員に振り向けられるか、というワークシェア、雇用シェアだ。
イタリアやドイツ、スイスといったヨーロッパ諸国を中心に批准しているILO132号条約では、以下などが定められている。
・有給休暇は3週間以上
・有休のうち、最低2週間を連続で取らなくてはならない
・病気で休む場合は有休とは別枠とする
だが、日本はこれを批准していない。それどころか多くの社員が、有休を40日まで眼一杯ためた挙句に、2年経ったら自動的に捨てねばらない(!)という、すごい国である。つまり有休の買い取りすら義務化されていない。
このように、1人あたり労働時間はヨーロッパに比べて圧倒的に長い。同じ自動車という最終製品を作るにあたっても、ILOの条約に批准しないという、いわば“反則技”を使って、ヨーロッパよりも長い労働時間を投入するという非人間的・非生活者的なやりかたで勝っているだけなのだ。
しかもトヨタは、賃金のつかない業務も社員にやらせ、一部違法認定を受けたほどで、過労死社員も続出している。表面化しているものは氷山の一角に過ぎない。とにかく、正社員が働かされすぎで死人まで出ているのだから、さっさとILO132号条約を批准してちゃんと休ませ、逆にもっと責任ある地位で働きたがっている非正規社員の正社員登用を進めるべきなのである。
連合も形だけは「優先的に批准を求めるリスト」に上記ILO132号を入れてはいるが、お得意の建前と本音の使い分けで、まったく話は進んでいない。自民党と旧社会党が地下茎でつながっていたように、それぞれの支持母体である経団連と連合も、地下でニギっているから、まったく話題にすらならない。
この一例からも分かるように、戦後の日本は「企業経営者(自民党=経団連)と労働者(民主党=連合)の国」であって、生活者の権利はないがしろにされてきた。民主党が「国民の生活が第一」だと本気で言うなら、まっさきにILO132号条約の批准を掲げねばならないはずだ。
みんなが2週間以上連続で休むとなると、今の頭数では足りなくなる。事実上のワークシェアリングになり、雇用の絶対数は間違いなく増える。だが残念なことに、連合は、雇用を増やすよりも、今いる正社員の賃金水準の維持のほうを絶対に優先する。つまり、非正規社員のことなど、まったく眼中にない。
格差問題を論じる際には、非正規社員側の人たちは、ILO132号の批准を訴えるべきである。「大変だ、大変だ、助けてくれ!」といくら叫んでもガス抜きにしかならないのだから、具体的な政策提言を行い、それを受け入れない政治家の名前をリストアップして公表し続け、改革を迫るのが問題解決への本筋であろう。
◇最大の抵抗勢力は連合だ
連合は、非正規センター(龍井葉二事務局長)をつくって、建前だけ非正規社員の味方の振りをすることで、「絶対に既存組合員の賃金と雇用を守る、オマエらなんか野垂れ死んでも、オレたちだけは助かるんだよ!」という本音を、カモフラージュしている。実際、ILO132号をはじめ、何もしていないことがその証明だ。
自民党と経団連は、使い捨てられて都合のよい非正規社員をそのままにしたがっている。「反貧困」の人たちは、現場の支援作業で手一杯で、具体的な政策提言をする余力も能力もない。連合票が欲しい民主党と社民党は、正社員の権利を守る(ここで言う権利は、あくまでカネと雇用だけ、休みを増やしてワークシェアすると賃金が減るから反対、つまり非正規の敵)と平気で言う。非正規の味方になる政治勢力は、どこにもいない。
せめてマスコミが味方になってやるべきだが、論壇誌は、何に遠慮しているのか分からないが、具体的な政策提言と、具体的な抵抗勢力の名指しを、まったくしない。現場の不平不満の垂れ流しか、学者の論旨不明で無用にわかりづらい文章ばかり。コンサルのプロジェクトでいうと、延々と現状分析を行ったり来たりしていて、「改革が必要だ」という最初からわかっている当り前の総論しか出てこない。
格差問題、地方分権、行政改革、ぜんぶ同じ構図だ。「総論賛成、各論反対」。いまさら総論を言うことに何の意味があるのだろうか。私は「そんなこと、もう分かってるよ」といつも突っ込みながら読んでいる。あれでは、部数が減って廃刊になるのもしかたがない。
◇格差問題が解決に向かう具体的なシナリオ
Q:現在あなたの年収は、同世代の中でどのあたりの位置にあると感じていますか。
に対する回答。下流意識を持っている人が多い。
正社員の間でも格差意識は大きいようで、アンケート結果によると、「中の下」と「下の上」を合わせると54%と過半数になる。かつて一億総中流といっていた時代から、明らかに「一部の上位層と、大多数の下位層」という格差が大きい分布に変わりつつあるのだろう。
つまり、経済のグローバル化で、既に世界的にみれば高い日本人正社員の賃金はこれ以上、上がるはずがなく(森永氏の言うようにイタリア化できればよいが前述のように日本人はトヨタ好きだから無理)、一部のデキる人だけが上がるわけである。したがって、下から、「多数の非正規」「大多数の正社員下位」「ごく少数の正社員上位」の3つの階層に大きく分かれていく流れだ。
ビジネス誌が売れているのはなぜかというと、「正社員下位」の人たちが、上位に行くためにもがき苦しんでおり、その層が増えているからマーケットが広がり、売れるのだ、と推測できる。
この層、つまり正社員下位層は、下位といっても非正規より恵まれている。働く人たちのなかでいえば、有権者の数としては一番のボリュームゾーンだから、政治的にないがしろにできない。つまり、この人たちに2週間連続休暇を与えるということは、残業代も減るし、総人件費は簡単に増やせないから、「絶対年収額」は減ることになり、受け入れられない。だから、ワークシェアは実現せず、非正規社員は、いつまでたっても正社員になれない。
つまり、正社員(=連合)は絶対的に現状維持を望んでいる、ということだ。現状の民主党は連合と手を切れないから、民主党には格差問題は解決できない。絶対にできない。
ではどうすれば解決するのか。シナリオとしてもっとも現実的なのは、次期衆院選で民主も自民も過半数をとれず、第3極が自民・民主から割って出る。具体的には、「前原・中川・小池・小泉」ら少しは経済のことを理解している「上げ潮派」が、キャスティングボートを握る。第一党は民主党になるから、民主党と組んで内閣を組織する。
とはいえ、数の論理で、民主党(≒連合)が中心となって政権運営を行うから、農業などに超バラ撒きが始まり、税金がスポンジのように吸収されていく。当然、経済の生産性はどんどん落ち、不況に拍車がかかる。行革に着手しようにも、官公労の支援を受けて選挙に勝ったものだから、雇用に手をつけられるはずもない。
もちろん、氷河期が再び訪れ、非正規労働者が激増。モリタクが不毛な経営者批判を展開し、ガス抜き。さらに不況は深まってゆく。
株価が8千円を割って有効求人倍率が0.6倍を割り込み、派遣労働者にすらなれない人が続出、餓死者がマスコミを騒がすようになったころ、国民もさすがに、正社員だけが優遇されているのが問題の元凶ではないか、それは連合のせいではないか、つまり民主党が第一党だから変えられないのではないか、と遅まきながら気がつき始める。
支持率が20%を割った小沢首相は退陣に追い込まれ、構造改革による経済成長を主張してきた「上げ潮派」政権が発足。前原または小池が、八代尚宏教授(国際基督教大学)らをブレーンとして、「労働改革・規制改革なくして成長なし!」と、労働基準法の改正に着手する。
正社員の過保護規制(労働条件の不利益変更、解雇要件)の緩和や、同一価値労働同一賃金、長期雇用優遇制度(退職金税制など)の廃止、経済的規制の撤廃、外資の呼び込み、株式市場活性化などのホンモノの改革がやっと始まる。もちろんILO132条も批准。
正社員という身分制度がなくなり、流動化した結果、ホンモノの成果主義が浸透、労働コストの最適配分が行われるようになり、労働市場は活性化。無意味に高かった中高年労働者の人件費が若者に回るようになり、雇用は回復する。年収1200万円の貰いすぎ50代社員が400万円に下がることも起きたが、浮いた800万円で若者2人が新規に雇用されることになり、企業の生産性は当然、アップ。税収も回復に・・・・・。
(出典:MyNewsJapan)
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