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スタチン発見者の遠藤章氏が、米国で最も権威がある
医学賞「ラスカー賞」の臨床医学部門の受賞者に選ばれたそうです。
ラスカー賞は医学分野で「米国のノーベル賞」ともいわれているそうで、
すばらしいことです。
LDLコレステロール、中世脂肪を薬を使わずに下げることは
むずかしくありません。
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青カビから発見 世界で3000万人服用
日本で見つかった物質が原型となり、世界に普及した高コレステロール血症(高脂血症)治療薬のスタチン。
発売から21年。今や動脈硬化などの予防で、毎日3000万人を超す患者が使う。薬としての評価は高まり、スタチン開発はノーベル賞級の成果と注目されている。
最初のスタチンは、1973年、製薬大手「三共」(当時)の研究員だった遠藤章・東京農工大名誉教授(74)が青カビから見つけた「ML―236B」(物質名=コンパクチン)。留学先の米国で、高コレステロール血症と肥満によって心臓病で亡くなる患者を目の当たりにした遠藤さんは、帰国後、コレステロール低下剤の開発を目指し、6000株を超える菌類の中から2年かけて手にしたものだ。
体内のコレステロールの8割は、食べ物を材料に肝臓で何段階もの化学反応を経て合成される。コンパクチンはこの合成過程初期に不可欠な酵素(律速酵素)「ヒドロキシメチルグルタリル(HMG)―CoA還元酵素」の働きを強力に抑える。
律速酵素は、反応によってできる物質の全体の量を決める。この酵素が阻害されるため、反応代謝物が作られず、コレステロール合成量が激減する。同じく青カビから見つかり、感染症から人類を救ったペニシリンにちなんで「コレステロールのペニシリン」と称賛される。
コンパクチン(別名メバスタチン)をもとに開発されたHMG―CoA還元酵素阻害剤はその後も次々と登場。薬剤名の末尾がすべてスタチンであったことから「スタチン」系薬剤として分類されるようになった。
遠藤さんらはコンパクチンの実用化へ動物実験や治験を続けた。だが毒性など壁に突き当たり3度の中止に見舞われ、結局、薬として日の目を見なかった。
一方、米製薬大手メルクは、78年に発見した第2のスタチン「ロバスタチン」の治験を進め、87年に発売した。遠藤さんは「困難への対処、結果の判断など日米の製薬企業の力量の差。順調にいけば84年に発売できた」と振り返る。
その三共も2年後の89年、コンパクチンの一部を改造した「プラバスタチン」を世に送り出した。これら治療薬は、従来にない劇的な効果を発揮、医療現場で広く使われるようになった。
スタチンは、筋肉への障害などが一部みられるが、比較的副作用は少ない。90年代半ばには、悪玉コレステロール(LDL)を25~35%下げ、善玉コレステロールを上昇させる薬効がほぼ確立した。2005年、英医学誌ランセットは、14件の大規模調査をもとに「スタチンの投与は心臓病の発症を抑制し、LDL値を約40下げると冠動脈疾患による死亡を19%減らす」とする分析結果を掲載した。
高コレステロール血症の診断基準を作成した寺本民生・帝京大医学部教授は「リスクの高い人で30%も心臓病による死亡を減らすスタチンは画期的。糖尿病、高血圧の薬でも死亡率の低下はここまで明確ではない。医療経済の観点からも注目される薬」と強調する。
調査会社IMSによると、スタチンの昨年、世界での売上高は、約2兆6500億円。06年の約3兆円をピークに減っているが、「特許が切れ、ジェネリック(後発)医薬品が登場したため」(製薬関係者)とみられる。メタボリック健診の普及で使用が広がる可能性は高い。最近、骨折予防やウイルス抑制など様々な効果が報告され、「第二のアスピリン」(遠藤さん)として万能薬の期待がある。
遠藤さんが発見したコンパクチンは、コレステロールが細胞にどう取り込まれるかなど基礎研究にも大きく貢献した。米国の博士2人は85年、ノーベル生理学・医学賞に輝いている。
(出典:読売新聞)
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