2011年3月21日月曜日

危機的状況の中の希望 村上龍氏のニューヨーク・タイムズへの寄稿文

いつもありがとうございます。
ツイてる抗加齢(アンチエイジング)実践家てるです。
毎日毎日、多くのステキなことがあり、感謝しています。


村上龍さんのコラムは深く強く共感し、叱られるかも知れないのを
承知で転載いたします。


私は自宅マンションで地震にあい、大家さん自慢の強固な耐震構造を
信じてマンション内に留まり、信じられる情報を調べてから信じ、
いくらドイツ人、フランス人、中国人などが大挙して日本から逃げ出しても
東京にいようと決めていました。

> 全てを失った日本が得たものは、希望だ。


以下にご参考になるウェブサイトなどをリンクしました。

天皇陛下からビデオメッセージ
東日本大震災 天皇陛下のお言葉全文

PRAY FOR JAPAN あなたたちは一人じゃない
大災難より強い日本人 韓国の有力紙「中央日報」社説
悲劇の中、日本に集まる世界の称賛 AFP
世界から日本へ1000のメッセージ 発起人・在外国日本人留学生一同

福島原子力発電所は、深刻な放射能物質の漏洩は決して起こらない
マサチューセッツ工科大学 Dr. Josef Oehmenの解説の邦訳の転載

独立行政法人 放射線医学総合研究所
原子力発電所被害に関する放射能分野の基礎知識
大気中の放射性物質の人体への抜粋
放射線に被曝すると健康に影響を及ぼすことがありますが、その影響の有無と種類は被曝した量で違います。被曝した放射線量が、例えば100mSv(ミリシーベルト)以下では、ただちに健康に影響を及ぼすことはありません。また、被曝した放射線量が高いほど数年後から数十年後にがんになる危険性が高まると考えられますが、その危険性は、例えば100mSvの放射線量で0.5%程度です。これは喫煙や食事などの生活習慣を原因とするがんの危険性よりも数十分の一程度の低い値で、過度に心配する必要はありません。
原子力防災情報
原発事故の解説 大前研一氏 
大前氏はMITで原子力工学博士号を取得、日立の元原子力エンジニア

「ヨウ素を含む消毒液などを飲んではいけません」 厚生労働省

米国ABCニュース 被災地の被災前後の様子が分かる衛星写真
カーソルを置いて左右に動かすと写真が変わります。
東日本巨大地震、情報収集に役立つ公的機関&メディアサイトリンク集
災害情報総合ページ google
東日本巨大地震記事集約ポータル
Twitterで情報収集! 震災関連でフォローすべき公式アカウント
地震・防災関連記事リンク集 日経トレンディネット
ボランティアしたいと思っている方へ ボランティア活動情報ネット

東日本大震災被災者・支援者向け医療情報
阪神の震災の教訓をもとに 兵庫県立大学看護学研究科作成情報集
体育館などの避難所で暖をとる方法 日本登山学会
被災地での低体温症対策情報 日本登山医学会
被災地の子どものケア情報 日本チャイルド・ライフ研究会

計画停電情報 東京電力
首都圏公共交通機関情報
首都圏での自転車利用の緊急諸注意

大地震で暗躍する悪党 「被害が少ない人ほど狙われる」その実態・手口を全部暴く!
今すぐ実行できる節電方法 小さな心がけが大切
すぐ出来る買い占め止めよう運動!


私のライフワーク:質の高い健康とより幸福・豊かな人生を実現するお手伝い。
私が発明しているのは、「人類を救う宇宙人」であるという可能性です。

****************************【以下転載】****************************

ニューヨーク・タイムズのThe Opinion Pageに、作家・村上龍の寄稿文が掲載された。これを読んだタイムアウト東京のエディトリアル・ディレクター、ジョン・ウィルクスは、「とても誠実な文章だと思う。災害について行き過ぎた大げさな報道をしているイギリスのメディアでは見られなかった内容だ。今すぐ彼をハグしたい気持ちだ。」と共感とリスペクトを表した。タイムアウト東京には、ツイッターを通じて、外国人フォロワーから、「涙しました」、「これこそ、今読むべき記事だ」などのメッセージが寄せられている。

震災の後、ネットやツイッターを通じてメディアや個人の発信する様々な情報が錯綜している。多くの人々が、何を信じていいのか、何が真実なのかという不安とこれからの将来への不安に心を悩ませているようだ。村上龍のこの寄稿文は、そういった人たちに安堵と希望をあたえてくれるに違いない。タイムアウト東京では、この素晴らしいメッセージが少しでも多くのみなさんに届いて欲しいという思いから、日本語に翻訳し、ここに掲載する。

日本語版掲載にあたり、村上龍氏、ニューヨーク・タイムズ紙には、助言と協力を頂いたことを心から感謝致します。


危機的状況の中の希望


村上龍

先週の金曜、港町・横浜にある我が家を出て、午後3時前、いつも行く新宿のホテルにチェックインした。普段から私はここに週3~4日滞在し執筆活動やその他の仕事をしている。

部屋に入ってすぐに地震が起きた。瓦礫の下敷きになると判断し、とっさに水とクッキー、ブランデーのボトルをつかんで頑丈な机の下にもぐりこんだ。今にして思えば、高層30階建てのビルの下敷きになったらブランデーを楽しむどころではないのだが。だが、この行動によってパニックに陥らずにすんだ。

すぐに館内放送で地震警報が流れた。「このホテルは最強度の耐震構造で建設されており、建物が損傷することはありません。ホテルを出ないでください」という放送が、何度かにわたって流された。最初は私も多少懐疑的だった。ホテル側がゲストを安心させようとしているだけではないのかと。

だが、このとき私は直感的に、この地震に対する根本的なスタンスを決めた。少なくとも今この時点では、私よりも状況に通じている人々や機関からの情報を信頼すべきだ。だからこの建物も崩壊しないと信じる、と。そして、建物は崩壊しなかった。

日本人は元来“集団”のルールを信頼し、逆境においては、速やかに協力体制を組織することに優れているといわれてきた。それがいま証明されている。勇猛果敢な復興および救助活動は休みなく続けられ、略奪も起きていない。

しかし集団の目の届かないところでは、我々は自己中心になる。まるで体制に反逆するかのように。そしてそれは実際に起こっている。米やパン、水といった必需品がスーパーの棚から消えた。ガソリンスタンドは枯渇状態だ。品薄状態へのパニックが一時的な買いだめを引き起こしている。集団への忠誠心は試練のときを迎えている。

現時点での最大の不安は福島の原発だ。情報は混乱し、相違している。スリーマイル島の事故より悪い状態だがチェルノブイリよりはましだという説もあれば、放射線ヨードを含んだ風が東京に飛んできているので屋内退避してヨウ素を含む海藻を食べれば放射能の吸収度が抑えられるという説もある。そして、アメリカの友人は西へ逃げろと忠告してきた。

東京を離れる人も多いが、残る人も多い。彼らは「仕事があるから」という。「友達もいるし、ペットもいる」、他にも「チェルノブイリのような壊滅的な状態になっても、福島は東京から170マイルも離れているから大丈夫だ」という人もいる。

私の両親は東京より西にある九州にいるが、私はそこに避難するつもりはない。家族や友人、被災した人々とここに残りたい。残って、彼らを勇気づけたい。彼らが私に勇気をくれているように。

今この時点で、私は新宿のホテルの一室で決心したスタンスを守るつもりでいる。私よりも専門知識の高いソースからの発表、特にインターネットで読んだ科学者や医者、技術者の情報を信じる。彼らの意見や分析はニュースではあまり取り上げられないが、情報は冷静かつ客観的で、正確であり、なによりも信じるに値する。

私が10年前に書いた小説には、中学生が国会でスピーチする場面がある。「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」と。

今は逆のことが起きている。避難所では食料、水、薬品不足が深刻化している。東京も物や電力が不足している。生活そのものが脅かされており、政府や電力会社は対応が遅れている。

だが、全てを失った日本が得たものは、希望だ。大地震と津波は、私たちの仲間と資源を根こそぎ奪っていった。だが、富に心を奪われていた我々のなかに希望の種を植え付けた。だから私は信じていく。

0 件のコメント: