2010年12月22日水曜日

地域で支える精神科治療 病院なくしたイタリア

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最も問題が多いと言われている精神科治療。

日本の精神病床は人口比でも絶対数でも飛び抜けて世界一多く、
入院日数も飛び抜けて長い。
そして日本以外は精神病床数を大幅に減らしている。

精神病床国際比較.jpg

診療報酬の都合から薬物に頼らないと経営できないようであり、
「薬物治療に頼らない診療体制」への転換ができるか疑問ですが、
イタリアの動きは大変注目されます。


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私が発明しているのは、「人類を救う宇宙人」であるという可能性です。


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****************************【以下転載】****************************

■地域で支える精神科治療 病院なくしたイタリア 地区ごと受診・休息拠点/入院も本人の意思尊重

精神科医療の分野で最も大胆な改革を実行した国はイタリアだ。精神科病院を基本的になくし、地域での精神保健サービスを軸にして支えている。その実情を伝えるために3人が来日し、11月に東京、横浜、大阪、長崎で講演した。なぜ、どのように改革を進めたのか。大阪市での講演内容を中心に紹介する。(編集委員・原昌平)

■出発点は人間の尊厳

イタリアの本格的な改革は1971年、北東部の港町トリエステで始まった。県立精神科病院の院長になった精神科医フランコ・バザーリア(80年死去)が病院の劣悪な状況を批判し、全患者を共同住居やアパート、自宅通院に移していった。 サルデーニャ島に住むイタリア家族会連合会会長のジゼッラ・トリンカスさん(59)が精神科病院を初めて訪れたのは74年。統合失調症になった姉の入院先だった。「見捨てられたみじめな場所。閉鎖病棟に多数のベッドが並び、悪臭がして、トイレのドアにカギはなかった。治療の場所ではなく、姉は絶望していた」

バザーリアたちが訴えたのも人間の尊厳の回復と支配・被支配ではない治療関係だった。その声は広がり、トリエステの実践を踏まえて78年、全国レベルで精神科病院の新設・新たな入院を禁止する法律が成立した。トリンカスさんたちは家族会を作り、精神科病院に代わる地域サービスを求めて運動した。

姉はいま共同住宅に住み、スタッフの24時間のサポートと、精神保健センターの定期的な訪問を受けている。適量の薬で状態は安定している。「入院隔離ではなく、社会の一員として、家族や友人と一緒に暮らすことが、治療のためにも大切だし、それは可能だ」とトリンカスさんは語りかけた。

■笑顔と抱擁が基本

10万床以上あった公立の精神科病院は99年に全国で姿を消した。残っているのは、入院や治療の強制が許されない民間精神科病院(約4000床)と、法務省管轄の司法精神科病院(約1000床)だけだ。

代わりの主役は、地区ごとの保健公社が設けた精神保健センター。人口5万~10万人に1か所あり、いつでも急な受診や個室での休息に利用できる。訪問サービスの拠点でもある。地域には人口1万人に1か所以上、24時間ケアのグループホームがつくられている。

急性期の病状の時はどうするのだろうか。受け皿は総合病院の精神病床(1施設15床以下)で、入院・治療は本人の意思を原則にする。どうしても必要な時は強制入院・強制治療もあるが、厳格な手続きが求められ、期間は7日間。延長にも7日ごとに司法審査が行われる。

医療の進め方には地域差があるが、トリエステでは「笑顔と抱擁」で信頼関係を築き、人手をかけて説得する。患者にとって病院が怖い場所でなくなれば強制の必要は少なくて済み、早期の治療にもつながるという。

地域への移行に住民の反対はなかったのだろうか。

「どの国でも摩擦はある。ローマで反対に遭った時は、患者は精神的に苦しんでいる人たちだ、そうした人たちを助けるサービスだと伝え、理解を得ていった」と精神科医のトッマーゾ・ロザーヴィオさん(71)は説明した。

■日本の病院を見て

一行は講演の合間に、京都市左京区の民間病院を見学した。日本ではレベルの高い部類に入る精神科病院だ。

「病棟は清潔でスタッフも誠実だが、入院患者のまなざしには悲しみとあきらめが交じっていた」(トリンカスさん)

「きれいな病棟でも、病院にいると疾患が慢性化してしまう」(ロザーヴィオさん)

日本の精神病床は35万床。人口比でも絶対数でも世界一多い。入院中心から地域中心への転換は政府も掲げており、厚生労働省の検討会では、病床を半分に減らすべきだという意見も出ているが、なかなか進まない。病床の9割が民間であることがイタリアと事情の違う点だ。

社会学者のマリアグラツィア・ジャンニケッダさん(62)は「人手とお金を病院ではなく、地域に使えば、もっと人間らしいことができる。民間病院でも、お金は国民から出ているのだから、政府が決断すれば変えられる」と強調した。

(出典:読売新聞 大阪朝刊 )

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