2010年3月28日日曜日

世界経済の地図から消えていく日本とトキの姿

いつもありがとうございます。
ツイてる抗加齢(アンチエイジング)実践家てるです。
毎日毎日、多くのステキなことがあり、感謝しています。


大前研一さんの先見力は定評がありますが、
国際的に日本の存在が希薄になりジャパン ナッシングと
言われ始めてから相当経ちます。

企業も個人も自信をなくし、外交・経済オンチ政権の的外れ政策もあって
毎日の暮らしに精一杯で希望を失った閉塞感が強まっていますが、
自分以外に原因・責任を求めてもよくなりません。


厳しさはさらに続くと考えた方が賢明で、対策はいろいろ考えられます。

・人一倍働ける気力・体力づくり
・集中して仕事の効率を上げる
・総労働時間を増やす
・収入の柱を増やす
・家庭内の働く人の頭数を増やす
・経費を減らす
・税金を減らす

最もよい方法は、人一倍働ける気力・体力づくりをしながら
雇われない複業で収入の柱を増やし、節約・節税することで、
むずかしくありません。


社員元気で会社も元気


私のライフワーク:質の高い健康とより幸福・豊かな人生を実現するお手伝い。
私が発明しているのは、「人類を救う宇宙人」であるという可能性です。


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*******************************【以下転載】*******************************

大前研一の「産業突然死」時代の人生論

経済協力開発機構(OECD)は3月10日、加盟各国の経済成長のための政策課題を分析した報告書「成長に向けて2010年版」を公表した。この報告書では、リーマンショック以降の各国の経済対策について成長維持の政策が導入されているとして一定の評価を与えている。

日本は「1人当たりのGDPが低迷、生産性向上のための構造改革が必要」

ただし、日本に対しては厳しい。「1人当たりの国内総生産(GDP)が低迷し、生産性向上のための構造改革が必要だ」と指摘している。確かに日本の1人当たりのGDP(PPPベース)は1993年以降に急落し、OECD諸国の中では17位(2008年)にとどまっている。

今回はこの報告書をもとに日本の構造的な課題を整理してみたい。

報告書「成長に向けて2010年版」では、日本の状況を改善するための方策として、生産性の向上、サービス分野の規制緩和、正社員と非正社員の待遇格差の解消などを挙げている。また現在の税制についても改善の必要性を訴えている。具体的には、間接税の比重を高めることや法人税の軽減、財産税の強化などが提示されている。

下の表にOECDが提言する日本の構造的な課題を整理してみた。

OECD提言の日本の構造的課題.gif

提言が「マンネリ化」するほど日本の停滞は著しい

この提言内容を見て、皆さんはどう感じたろうか。「外国人に言われることはない」と頭にきたり、「言われなくてもわかっている」と思いはしなかっただろうか。しかし、間違えないでいただきたいが、これらはOECDに出向している日本人スタッフが加わって分析・提言しているのである。

我々からすれば「内容がちょっとマンネリ化している」と感じられるが、逆に言えば、マンネリ化してしまうほどに日本の停滞は著しく、ちっとも良い方向に進んでいないことを示している。

したがって、これらの提言は正鵠を射たものと言える。特に「生産性の向上」は真剣に取り組むべき課題だ。何しろ近年の日本では生産性の向上がほとんどなかった。生産性が向上しない理由はいろいろあるが、一つには政府が古い産業を守ろうとしていることが大きい。

産業を守るのはもちろん大切なことだが、だからといって生産性の向上を阻害してはいけない。ところが政府にはそういう意識が感じられず、悪く言えば、生産性が悪いまま税金を使って延命措置を続けているように見える。これは農業やサービス業の分野で特に顕著である。

今回の提言には目を引く項目もあった。外国人労働者を受け入れなさい、という点である。これに関してはOECDも一歩踏み込んだと言えよう。少子高齢化が進み、日本は労働人口が減っていく。このままでは経済力を維持することが難しいため、現実的な解決策としては外国人労働者を受け入れるしかない。これは私が以前から主張してきたこととも重なる。

海外の若者にとって日本の大学は魅力的ではない

規制緩和の項目で「外国大学の対日進出」を挙げているが、私はその効果を疑問視している。というのも過去、日本に入ってきた外国大学のうち、認可されたところはほとんど撤退しているからだ。外国の大学は日本の大学市場に魅力を感じておらず、本腰を入れて良い先生を送り込んでくるようなこともしない。

ある国の若者が海外の大学へ留学しようと考えたとき、どの国を目指すか。現在人気ある国は1位が米国、2位がイギリス、3位がオーストラリアといった英語圏で、この傾向は中国などでも同じだ。「日本の大学で学ぼう」という若者は急速に少なくなっている。日本の大学では将来につながるスキルの訓練ができない、と見抜かれているからだ。また難しい日本語を身につけても将来自国に帰って出世に有利か、と言えば、英語圏の学校の方にやはり軍配が上がる。

かつては日本の大学も人気があった。韓国や台湾、そして東南アジア諸国連合(ASEAN)の経営者が「将来、自分の子供が後継者として活躍するには日本で学ぶほうがいい」と積極的に送り出していた時期もある。しかし、今ではそういう例は少なくなってしまった。日本に来る留学生のほとんどが政府開発援助(ODA)がらみか奨学金目当てだ。純粋に学術的な面で魅力ある大学は日本にほとんど存在しない、と思われているのである。

「自分を失った日本」、その象徴がトヨタ問題だ

最近の日本を批判しているのはOECDだけではない。米ニュースウィーク誌3月15日号は「Toyota and the End of Japan」(トヨタ、そして日本の終わり)という記事を掲載していた。トヨタ自動車の問題を通して、日本全体の問題が見えてくるという指摘だ。

戦後の日本は驚異的な発展を遂げ、アメリカ人から見ても目を見張るものがあった。ところが、最近の日本には社会的な問題が蔓延していて、それらを見ていると日本の終わりが感じられるというのだ。アメリカ人の目に映る日本の今の姿は「自分を失った日本」である。それを象徴しているのがトヨタのリコール問題というわけだ。

歴史を振り返れば、これまでも日本の将来が悲観的に見られる時期が何度かあった。それでも我々日本人は「いやいや、日本にはトヨタがある、ホンダがある、ソニーがある」と反論できた。ところがいつの間にか、そのリストからソニーが消え、そしてついにトヨタが消えようとしている。ホンダはまだ元気であるが、一つしかない例、というのは、「例えば……」と始めたときに説得力が乏しくなる。もちろん私個人としてはコマツや旭硝子、YKKなどのグローバル企業を挙げたいところだが、海外での知名度がイマイチなのと、同業で世界的には互角のところがあるので、あまり説得力のある事例とはならない。

ドイツならそういう話題になったとしても、自動車だけでBMW、フォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツのダイムラーと3社の名前が挙がってくる。日本ではトヨタが断トツだが、次に来るところがない。日産はどうかと言えば、「日産はフランスでしょ」と言い返されてしまう。そういう意味では、日本を真に代表する企業はトヨタしか残らないが、その頼みの綱も今回のリコール騒動でリストから消えようとしている。

特別天然記念物トキの死に、日本の姿が重なって見える

少々余談になるが、佐渡トキ保護センターで国の特別天然記念物のトキが小動物に襲われて死んだ。9月に放鳥する予定だった9羽のトキがケージに侵入したテンに殺されたという事件だが、このニュースを耳にして私は「これはトヨタ問題や現代の日本に通じるものがある」と思った。

とても貴重な鳥であるにもかかわらず、ケージには隙間がたくさん空いていた。テンが侵入するくらいの大きさの隙間をなぜふさがなかったのか大いなる疑問である。トキの繁殖はかなりの予算と人手をかけて取りかかっていた事業だが、あまりにも管理が杜撰(ずさん)である。関係者の能力を疑わざるを得ない。

なぜこのような杜撰な仕事をしていたかは容易に想像がつく。彼らにとってトキを囲うケージは、トキを守るためのものではなく、逃げないようにする檻(おり)だったのだ。だから外敵が侵入してくることは想定外で、まったく考えていなかったのだろう。こういう人たちが“専門家ヅラ”しているのは納得がいかない。

もう一つ皮肉なのはテン(イタチ科の小動物)である。もともと増えすぎた野ウサギを殺すために佐渡に持ち込まれている。それが今では増えすぎて困っている、という。自然のバランスを崩してしまった佐渡を象徴する事態である。もっとも、肝心のトキも絶滅し、最後まで生息していた佐渡に中国からもらったトキを種に100羽まで孵化して増やしてきている。もともと全国に広く分布していたトキという絶滅種の救済場所として佐渡が相応しかったのかどうかも含めて大いなる反省と議論が必要ではなかろうか。

トヨタが日本の産業を象徴する企業であるように、学名が「ニッポニア・ニッポン」というトキはまさに日本を象徴する鳥である。そのトキを想定外の敵から守ることが今の日本はできなかった。世界経済の地図から消えようとしている日本と絶滅の恐れがあるトキの姿が、私の目には重なって見える。

(出典:日経BPnet)

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