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2009年の「高齢社会白書」によると75歳以上の後期高齢者は
前年比52万人増の1322万人で、総人口に占める割合は10.4%と
初めて10%を超えたそうです。
08年の65歳以上の高齢者は、前年比76万人増の2822万人、総人口に
占める割合(高齢化率)は前年比0.6ポイント増の22.1%だったそうで、
これも世界一で世界唯一の超高齢化社会ですが、社会制度が追いつきません。
高齢者と地域とのつながりの希薄化も指摘されており、子供達との交流の場は
歓迎されます。
私のライフワーク:人生3大不安の健康、経済、孤独を解消するお手伝い
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認知症介護に子供のパワーをいかす取り組みが広がっている。あやとりや相撲といった遊び、食事、入浴などを通じて、高齢者と密接にかかわる方法だ。歓声を上げる子供たちは、側にいるだけでも高齢者を和ませる。さらに踏み込んで接することで、まだ偏見の多い認知症について理解を広げる狙いもある。
◆「普通の人だよ」
茨城県水戸市の「デイサービスセンターお多福」は高齢者の通所介護施設だが、土曜や夏休みなどには小中学生もやって来る。管理者の高橋克佳さんは「自由時間に庭でキャッキャッと遊ぶ様子を、おばあちゃんたちが見て喜びます。窓辺に椅子(いす)を並べて、にこにこして。3世代家族の家のようにしたい」と話す。
子供が介護施設を訪問しても見学や慰問にとどまる場合が多いが、お多福では独自の制度「キッズヘルパー」を設けており、高齢者の話し相手や掃除もする。2年目の今年は22人が登録。年20回ほど参加する子供もいる。認知症の人が多いため、キッズヘルパーにも認知症に関する基礎的な知識が必要だ。
「『認知症は病気』『名前を何度も聞いてくるので何回も答える』といったことを事前に伝えます」と高橋さん。
キッズヘルパー制を始めた目的のひとつは、認知症の人について地域住民の理解を得ること。子供たちが「普通の人だよ」と親などに話すことで、認知症の人に気軽に声をかける住民が増えれば、徘徊(はいかい)する人も安全に家に帰れる街になる。
そのため、子供たちが高齢者と密接にかかわれる仕掛けを設定した。“仕事”をする意識を持たせるため、登録時に履歴書を提出してもらい、採用通知を渡す。一日の賃金として、施設内通貨「オッタ」を支給する。子供たちは「マッサージをしてあげたら、『気持ちよかった』と言ってくれた」などと、やりがいを感じているようだ。
◆一緒にお風呂
岩手県大船渡市の「小規模多機能ホーム後ノ入(のちのいり)」も「弱い人たちに手助けすることを学んでもらえれば」と今年度、キッズヘルパーのような仕組みを取り入れる予定だ。
同ホームには日常的に近所の子供たちが出入りし、高齢者と入浴を楽しむこともある。運営推進会議には学童保育の指導員も加わる。昨年の開設以来、見学会や防災訓練などを通じて地域住民とかかわる機会をつくってきた成果だ。
高橋誠一・東北福祉大教授は「多世代がかかわることで施設内がひとつの社会になる。買い物など街へ出て活動する所は多いが、逆に地域の住民を取り込むのもいい方法だ」と話している。
【用語解説】運営推進会議
認知症グループホームや小規模多機能ホームが定期的に開く会議。運営の透明性やサービスの質を確保するため、平成18年度に開催が義務付けられた。構成メンバーは利用者や家族、地域住民、市町村職員など。ホーム側の働きかけで、消防・警察職員や近隣商店が参加する所もある。全国認知症グループホーム協会が今年3月に公表した調査結果では、運営推進会議を「有効」とする事業者が約6割。「地域の学校関係者や児童が遊びに来てくれるようになった」とする事業者も目立った。
(出典:産経新聞)
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