2012年9月28日金曜日

京大大学院人間健康科学系専攻 脳科学で介護予防探る

おはようございます。

ツイてる抗加齢(アンチエイジング)実践家・染谷光亨です。

毎日毎日、多くのステキなことがあり、感謝しています。





長命国日本は、国民皆保険制度に甘えた

世界一の医療依存国家であり、不名誉な世界一も多く

寝たきり老人数も世界一ですが、50代以上の半数がロコモ予備軍で、

寝たきり予備軍にもなります。



機能・気力・体力・活力の変化.jpg



高齢者の転倒予防には筋力の維持・向上のための運動が必要ですが、

筋力がある元気な高齢者でも家の中で転んでいるとは知りませんでした。



脳トレと筋トレを別々にやっても効果はなさそうなので

脳トレと筋トレを同時にやる記事の介護予防運動は広く普及してほしいと

思います。



> 週に1回24週、このエクササイズを続けた高齢者の転倒発生率は、6.9%

> このエクササイズを全くしなかった高齢者の転倒発生率は34.5%





私のライフワーク:質の高い健康とより幸福・豊かな人生を実現するお手伝い。

私が発明しているのは、「人類を救う宇宙人」であるという可能性です。





ロコモ関連ブログ

増える高齢者の骨折 運動器を鍛えて予防

50代以上の半数がロコモ予備軍

2012/04/01

広がる「貯筋運動」 介護予防の現場など、「体軽く」と好評



脳を鍛えるには運動しかない



****************************【以下転載】****************************



超高齢社会で介護が必要な人を増やす大きな要因となる「転倒」を、脳科学の知見から予防する方法を考案したのが、京都大大学院医学研究科人間健康科学系専攻の助教、山田実(31)のチームだ。要介護高齢者が増え続ける中、骨折などで寝たきり状態に陥ることが多い転倒を防ぐ独自の取り組みが注目されている。





京都市左京区の京大キャンパスに9月上旬、高齢の男女計10人が集まった。大学が地元自治体の委託を受け高齢者向けに開く介護予防講座。イスに座って足踏みしながら体に手をあてる、立って前後左右に動く、といった動作を繰り返す。



山田が考案した「ステッププラス・エクササイズ」で、文字通り足踏みしながら、別の動作を加える運動だ。高齢者向けの出前講座は関西の他の自治体にも広がる。



人の話を聞きながらメモを取る。テレビを見ながらアイロンをかける。人の日常はそんな二重課題をこなす連続だ。しかし山田は3000人に上る高齢者の実地調査で「加齢に伴う二重課題をこなす能力の低下」を突き止めた。



高齢者の転倒予防といえば、従来、筋力の維持・向上が課題とされてきた。ところが筋力があり、元気な高齢者でも家の中で転んでいる実態が調査で判明。高齢者は何かに意識が集中すると他に意識が向かなくなるのが理由だと山田は考えた。



そこで山田は元気な高齢者には、筋力トレーニングやウオーキングだけでなく、頭の体操も欠かせないと判断。二重課題をこなす能力の維持・向上を目指すプログラムを開発した。「足踏みしながら何かをする」という2つの課題をこなすステッププラス・エクササイズは、その一環だ。



2つの課題を同時にこなす能力が加齢とともに低下することは、脳科学の分野ではよく知られている。この知見を人間健康科学の分野に取り入れ、転倒予防に新たな角度から切り込んだのが特徴だ。



厚生労働省によると、介護が必要と認定された人は2010年度に506万人と過去最多を記録した。介護保険で支払った給付費も7兆2536億円と前の年度より5.6%増えた。



高齢者は転倒を経験すると、恐怖心から外出を控え、次第に元気を失っていく。介護予防の重要性が叫ばれる中、「元気な中高年の転倒予防の啓蒙は、豊かな老後やお年寄りの自信につながる」と山田は話す。



医師や看護師らで組織する転倒予防医学研究会の世話人代表を務める東京大教授、武藤芳照は「基礎科学と応用科学を結びつけ、社会的課題の克服につなげる点で意義深い」と山田の研究を評価する。海外の研究者も注目している。



同じ専攻の准教授、青山朋樹と10年に立ち上げた一般社団法人「ココカラボ」もユニークな存在だ。「ココロ(心=脳)もカラダもココから健康に」という意味を込め、大学の枠を超えた取り組みを進める組織だ。



ネーミングやキャラクターデザインでは近隣の京都精華大の協力を得た。特殊印刷を手掛けるヨコセ(宇都宮市)と連携し、転倒予防の訓練用マットも商品化。慶応大などとも協力し、ステッププラス関連の機器も近くお披露目予定だという。



=敬称略











「運動と同時に頭の体操で転倒を防ぐ」 京大大学院医学研究科の山田実助教に聞く



新たな観点から高齢者らの転倒予防に取り組む京都大大学院医学研究科の人間健康科学系専攻。山田実助教にステッププラス・エクササイズの内容や今後の課題などを聞いた。



――先生が考案したステッププラス・エクササイズとはどのような運動法か。



山田実氏(やまだ・みのる) 2005年3月神戸大学医学部保健学科卒、同4月坂田整形外科リハビリテーション(兵庫県加古川市)勤務。08年京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻助手、10年神戸大学大学院医学研究科博士課程修了(保健学博士)、同年4月から現職。専攻は転倒予防学。31歳。

「体を動かしながら、同時に頭の体操も加えたものだ。『ステッププラス・スタンド』と『ステッププラス・シート』、それに『ステッププラス・タッチ』の3種類がある」



「『スタンド』は立ったままで、リズムに合わせ足を動かしながら、前後左右、指示された方向に移動し、すぐ戻るという動作を繰り返す。『シート』は椅子に座って足踏みしながら『動物の名前』など、指示されたお題に声を出して答える。『タッチ』は椅子に座り、左右の肩や膝、腰に番号を振り、それを覚えた上で、指示された番号の部位を手で触るといった内容。座ってできるメニューを用意したのは無理なく、楽しみながら継続してもらいたいからだ」



――ステッププラスの目的は2つの課題を同時に処理する能力の維持・向上ということだが、効果は。



「週に1回、24週にわたりこのエクササイズを続けた高齢者の転倒発生率は、6.9%。一方、このエクササイズを全くしなかった高齢者の転倒発生率は34.5%で、顕著な差が出た。高齢者は何かに意識が集中すると、ほかに意識を向けるのが難しくなる傾向がうかがえる。トレーニングを重ねれば二重課題をこなす能力は着実に向上する」



「要介護度が高い高齢者は筋力も衰えており、筋力アップを狙ったトレーニングは効果的だ。しかし元気なお年寄りや要介護度が低い人はそれだけでは十分でなく、ステッププラス・エクササイズで、頭の体操も忘れないようにしてもらいたい。ステッププラス・エクササイズに関するDVD付きのガイド本もあるので参考にしてもらいたい」



――こうしたテーマに取り組むきっかけは。



「まずは二重課題をこなす能力と転倒について書かれた海外の論文を目にしたことがあった。1997年ごろだったが、当時はまだ両者の関連に触れていただけで、踏み込んだ内容ではなかった。その後、2足歩行が可能なロボット、アシモを目の当たりにし、なぜ転ばずにいられるのかを自分なりに考えるうちに、二重課題と転倒との関連にがぜん興味を持つようになった。神戸大医学部保健学科を卒業後、リハビリ施設に勤務した経験もその後の実地調査などに生きていると思う」



――今後の課題は。



「坂が多い場所と平地が多いところといった地域差や、体重の軽重などによっても転倒に関して違いがあると考えている。転倒予防に関してはまだまだ研究すべきテーマや分野がある。高齢化が進んでいるからこそ、じっくりと取り組んでいかないと、と思っている」



(出典:日本経済新聞)

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