2008年10月30日木曜日

墨東病院と同じ医師6人以下、15施設 周産期センター調査結果

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今日の1通目
葉酸欠乏で新生児障害6倍に 諸外国「食品添加を義務化」、厚労省「摂取勧告」のみ


総合周産期母子医療センター施設の医師数が公表されましたが、
医師不足は深刻です。

イギリスのように冷遇された医師は祖国からでていくのですが、
日本は言語の壁に救われていると思います。

すぐできることと期間のかかることをわけて、安心して子供が生める
国にしてほしいものです。


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脳出血を起こした妊婦が東京都内の8病院に受け入れを断られた後に死亡した問題を受け、厚生労働省は28日、全国の総合周産期母子医療センター75施設の医師数を公表した。産科の常勤医数が、妊婦の受け入れを最初に断った都立墨東病院と同じ6人以下の施設が15施設に上った。

厚労省はこれまで正確な医師数を把握しておらず、問題発覚後に緊急に電話などで初めて調べ、同日の自民党社会保障制度調査会医療委員会で示した。

厚労省の資料によると、産科の常勤医は計882人で、1施設に平均11.8人いる。常勤医6人以下の15施設は東北や関東、北陸、東海、四国にある。これらの施設について、1人当たりの一般産科病床数をみると、墨東病院が9.3床と最も多い。次いで、仙台赤十字病院(宮城県)が7.3床、岩手医科大付属病院(岩手県)と東京女子医大付属八千代医療センター(千葉県)が7床。全施設では平均2.7床。常勤医が少ない施設ほど、医師個人の負担が重くなる傾向がある。

都は墨東病院の常勤医を4人と説明してきたが、厚労省は今回の調査では、後期研修医2人を含めて集計した。

(出典:朝日新聞)



◆医師不足 協力体制強めて解決せよ

脳内出血の妊婦が受け入れを拒否されて都立墨東病院で死亡した問題を受け、厚生労働省が全国の「総合周産期母子医療センター」に対する緊急調査を実施したところ、多くの医療センターで常勤の産科医が足らず、当直も回らない実態が判明した。

妊婦や新生児の緊急治療に対応できる病院でさえ、このありさまだ。明らかに産婦人科の勤務医が不足している。

今年6月にまとまった医師不足を解消するための厚労省の「安心と希望の医療確保ビジョン」では、これまでの医師養成の抑制方針を百八十度転換し、医師の増員を打ち出した。

しかし、単純に医師を増やしても問題は解決しない。増やした医師がビル診(オフィス街の診療所)などの開業医に流れるようでは意味がない。不足している病院の勤務医を計画的に増やして配置していかなければならない。

そのためには第一に勤務医の待遇改善が求められる。開業医の年収は勤務医の1・8倍にも上る。診療報酬を勤務医に手厚く配分し、勤務医の収入を引き上げ、その分開業医の診療報酬を引き下げる。これには医師会の協力が欠かせない。勤務医を支援するためには医療クラーク(事務員)を増やし、看護師や助産師らの能力を向上させることも必要である。

勤務医のなかで産婦人科医と同様に小児科医や救急医、外科医も不足している。勤務がきついからだ。この診療科ごとの偏在をなくすためにも労働環境の改善が求められる。医師が診療科を自由に名乗れる自由標榜(ひょうぼう)制にある程度制限を加え、一部の診療科への集中を防ぐことも検討したい。

地方の医師が不足する地域的偏在も問題だ。開業する条件に地方の病院での一定年数の勤務を求めることも必要かもしれない。

今回の問題では地元医師会が今年2月の時点で東京都に墨東病院の産科医の人数を増やすよう要望していた。しかし、要望するだけではなく、医師会に所属する産科の知識を持った開業医が交代で墨東病院の勤務に就くことも可能だ。そうした協力こそ人の命を救う医師の使命である。

責任の所在をめぐって厚労相と都知事が対立する場面もあった。国、自治体、医師会、病院が力を合わせ、医師不足を解消し、安心して治療の受けられる社会を作っていかねばならない。

(出典:産経新聞)



◆妊婦死亡、背景に医局離れ?

脳内出血を合併した妊婦が8病院から受け入れを断られた後に、病院で亡くなったことが先週報道されました。大病院が多くても都内の搬送体制が限界に達している現状は、既にこの連載でも伝えています。こうした問題は周産期センターの人手不足が原因の一つです。

センターへの人員配置は医局人事の仕事でした。以前は本人の意思に関係なく強制的に配置されました。それでも医師は納得していました。今までの医局にはあらゆる選択肢があったからです。一時的に自分の思惑と異なる分野に配属されても、将来的に興味のある分野を学べる可能性があり、ギブ・アンド・テークが成立していたのです。

それが、産婦人科医不足の加速で、技術を伝承してくれる上級医師たちが次々と辞めていきました。10年後の目標としていた医師が医局にいなくなってしまったのです。厳しく鍛えられるはずが、日常業務に精いっぱいで、単に厳しいだけで鍛えられなくなっていきました。一人前になれる見込みがないなら「医局から離れて仕事をしてもいいだろう」と考える医師は僕の周りにも多くいます。

また、以前は若い医師の多くは、周産期センターで働くことが唯一、患者さんの役に立つ方法だと考えていました。それが、小さなクリニックで働くことでも患者さんに喜んでもらえ、医師が必要とされていることをみんなが知るようになりました。

ぼくのような30代半ばの医師が医局から離れてしまったことが、ひょっとしたら周産期センターの医師不足の原因になっているのかもしれません。でも、ぼく自身は常勤はしていませんが、土日を含めた当直回数では常勤医に負けない数をこなしています。それでも、産科医が足りないのが現状なのです。

ほとんどの医師が、あの日あの場所にいれば、同様の行動を取らざるをえなかったはずです。そういうシステムなのですから。二度と同じようなことが起きないためにどうすればいいか、残念ながら、ぼくは答えを持ち合わせていません。(産科医・ブロガー 田村正明)

(出典:産経新聞)

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