2008年10月23日木曜日

脳出血に「対応できぬ」と7病院が拒否し、妊婦が死亡

いつもありがとうございます。
ツイてる抗加齢(アンチエイジング)実践家てるです。
毎日毎日、多くのステキなことがあり、感謝しています。


医療崩壊が大都市東京でも進んでいる悲しい事件です。
医師不足は深刻化していますが、産科医が逮捕・起訴された
福島県立大野病院事件以降に産科医の不足が顕著になったようです。

自宅近くで数十年以上の歴史のある産婦人科病院は最近になって
産科をやめて婦人科と小児科だけになり、実感しています。

最低限のセフティネットをしっかり整備してほしいのは国民の総意だと
思いますが、日本は医療にもあまり税金を使っていない低福祉国です。

ニッポンの老後福祉負担グラフ週刊東洋経済0808.jpg

政争ではなくきちんとよい政治をしてもらいたいと強く強く強く望み、
ご冥福を心よりお祈りいたします。

日本の医療世界比較週刊東洋経済0711.jpg

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脳出血を起こして緊急搬送先を探していた東京都内の妊婦(36)が、七つの医療機関から受け入れを断られ、出産後に死亡していたことが22日、わかった。

いったん受け入れを断り、最終的に対応した都立墨東病院(墨田区江東橋)は、緊急対応が必要な妊婦を受け入れる病院として都の指定を受けていた。都は詳しい経緯を調べている。

赤ちゃんは無事

都などによると、今月4日午後6時45分ごろ、江東区に住む出産間近の妊婦が頭痛や吐き気などを訴え、同区内のかかりつけの産婦人科医院に運ばれた。医師は、墨東病院に電話で受け入れを要請したが、同院は「当直医が1人しかいないので対応できない」と断った。医師は引き続き、電話で緊急対応が可能な病院を探したが、「空きベッドがない」などの理由で、同院を含め計7病院に受け入れを断られた。

医師は約1時間後、再び墨東病院に要請。同院は別の医師を自宅から呼び出して対応し、同9時30分ごろから帝王切開で出産、同10時ごろから脳出血の手術をしたが、妊婦は3日後に死亡した。赤ちゃんは無事だった。

墨東病院は、母体、胎児、新生児の集中治療に対応できる「総合周産期母子医療センター」として1999年6月に都が指定。

同センターに関する都の基準では、「産科医を24時間体制で2人以上確保することが望ましい」とされている。しかし、同病院では、産婦人科の常勤医が2004年に定員の9人を割ってから、慢性的に不足しており、現在は、4人にまで減っていた。

そんな中、当直も担当していた非常勤産科医が6月末で辞め、7月以降は土日、祝日の当直医を1人に縮小しており、妊婦が搬送された4日は土曜日だった。

都の室井豊・救急災害医療課長は「搬送までの時間と死亡との因果関係は不明だが、もう少し早ければ、命が助かった可能性も否定できない。産科の医療体制が脆弱(ぜいじゃく)だった点は問題で、早急に対策を取りたい」として、受け入れを断った他の病院についても、当時の当直体制など、詳しい事情を聞いている。

[解説]産婦人科の「緊急」指定病院なのに

妊婦の救急搬送を巡っては、奈良県の大淀町立大淀病院で一昨年、出産の際に意識不明になった女性が、19病院から受け入れを断られ、搬送先の病院で死亡した例がある。この悲劇が繰り返された。

読売新聞社は、16日の医療改革提言で、救急たらい回し解消のため、24時間、どんな患者も受け入れる救急病院「ER」(救急治療室)を全国400か所に整備することを求めた。都立墨東病院は、妊産婦や新生児の緊急治療を行う総合周産期母子医療センターに指定されているうえ、ERでもあるが、産婦人科の当直医が1人だけで、1回目の受け入れ要請を断らざるを得なかった。産科の医師不足が影を落とした形だ。

医師不足対策には、病院同士が協力し、医師を拠点病院に集める「集約化」を進めることが重要だ。

大阪府泉佐野市と貝塚市の両市立病院では、ともに産婦人科の当直医が1人体制だった。そこで今春から、夜間は貝塚病院の医師が泉佐野病院に出向き、同病院の当直を2人にして救急体制を強化した。貝塚病院産婦人科は当直医を置かず、婦人科手術を引き受ける。

病院が役割分担し、広域で産科救急を支える仕組みを早急に整えるべきだ。

(出典:読売新聞)



「脳内出血と分からず」 妊婦死亡で病院側が会見

東京都内で7カ所の病院に受け入れを断られた妊婦(36)が、いったん拒否した都立墨東病院で脳内出血の手術を受け死亡した問題で22日、都と病院が記者会見し「当直医は当初、脳内出血だと分からなかった。分かっていれば最初から受け入れたはず」と説明。その上で「一連の判断は妥当」と主張し、医療過誤ではないとの認識を示した。

かかりつけの産婦人科医が、当初から脳内出血の診断を墨東病院の当直医に伝えていたのではないかとの質問に、都の幹部は「詳しいやりとりは調査中で分からない」と答えた。

また当直医は、受け入れ可能な周産期医療センターなど複数の医療機関を端末で検索し、かかりつけ医に教えたが、それらの施設からも断られたことも会見で判明。断った医療機関の当直体制について、都側は「調べてみないと分からない」とした。

(出典:産経新聞)



妊婦死亡:検索ネット機能せず 「可能」3病院も拒否

妊娠中に脳内出血を起こした東京都内の女性(36)が都立墨東病院(墨田区)など7病院に受け入れを断られた後に死亡した問題で、インターネットで受け入れ先が探せる都の「周産期医療情報ネットワーク」が機能していなかったことが分かった。ネットの表示では3病院が受け入れ可能だったが、実際にはいずれも受け入れ要請を拒否していた。システムが機能していれば、女性はより早く搬送された可能性もあり、都は詳しい経緯を調査している。

周産期医療情報ネットワークは、リスクの高い妊婦に対応する周産期母子医療センター(都内22カ所)と都、消防をつなぐシステム。緊急の場合に患者の受け入れが可能なセンターが一覧できるようになっている。

都によると、死亡した女性は4日午後7時ごろ、下痢や吐き気、頭痛などを訴え、救急車で江東区のかかりつけの産婦人科医院に運ばれた。主治医が近くの墨東病院に受け入れを要請したが、産科の当直医は「土曜日のため当直が1人しかいない」と説明。主治医から「受け入れ可能な医療機関を教えてほしい」との依頼を受けた当直医は周産期医療情報ネットワークを検索し、受け入れ可能の表示があった▽東京慈恵会医科大病院▽慶応大病院▽日本赤十字社医療センター--の3病院を紹介したという。

しかし、主治医がこの3病院に電話をしたところ、いずれも受け入れを拒否。主治医はこのほか▽東京慈恵会医科大青戸病院▽日本大板橋病院▽順天堂大病院--に電話をしたが、受け入れられなかったという。

厚生労働省によると、コンピューターで周産期医療情報を共有化するシステムは昨年1月現在、39都道府県が導入。しかし「(空き病床の)情報の更新が遅い」などの問題を指摘され、今年1~2月の総務省消防庁の調査では、全国の消防本部の53%が「救急医療情報システムを利用していない」と答えた。

今回の問題でも、病院が情報を更新していなかった可能性もあり、都は「調査している」と説明している。

奈良県橿原市の妊婦死亡を受け、厚労省が昨年12月に行った救急搬送の総点検でも「夜間・休日も空床状況を更新できている」とした自治体は福島、広島県など6県しかなかった。

◇都は「脳内出血の疑い伝わらなかった」

墨東病院を運営する東京都は22日、及川繁巳・病院経営本部経営企画部長らが記者会見した。病院が当初受け入れを断ったことに及川部長は「(女性の主治医から)頭痛があると聞いていたが、脳内出血が疑われるとは伝わらなかった」と釈明した。

墨東病院は都内に9カ所ある総合周産期母子医療センターに指定されているほか、すべての救急患者を24時間受け付ける緊急救急施設「東京ER」も兼ねる都の拠点病院。しかし産科は医師の退職が相次ぎ、定数9人の常勤医が4人まで減少した。7月から休日当直を1人体制とし、救急受け入れを制限していたという。

会見で同病院の林瑞成・周産期センター産科部長は「このような問題が起きる危惧(きぐ)はなかったのか」との質問に、「あったが、産科医を目指す人は少ない。医師を増やす努力はしてきたが、本当に残念なこと」と沈痛の表情を浮かべた。

(出典:毎日新聞)
 

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